結膜とは、まぶたの裏側と眼球の白目(強膜)をおおっている粘膜です。眼の表面は涙によって常にうるおっています。涙には、異物や老廃物を流し出したり、細菌やウイルスなどから眼を守る役目があります。
結膜炎になると、充血や目やに、異物感、かすんで見えたりまぶしさを感じます。
ひどくなると、まぶたが腫れ、結膜がぶよぶよしたり、耳の前のリンパ節が腫れたり、発熱、咽頭痛が起こることもあります。
【はやり目ー流行性角結膜炎】(アデノウイルス8型、37型、19型感染)
充血や流涙、眼の痛み、まぶたの腫れ、まぶたの裏側のブツブツなどの症状が激しくあらわれます。
感染してから7~14日で発病します。
【プール熱ー咽頭結膜熱】(アデノウイルス4型、3型感染)
プールを介して感染することがあることから、一般的にプール熱とよばれています。結膜にブツブツができて、咽頭炎による発熱を起こします。
感染してから5~7日で発病します。
【急性出血性結膜炎】(エンテロウイルス70型感染)
感染してから1~2日後に突然眼球結膜に出血を起こし、ゴロゴロ感、充血、まぶしさなどがあらわれ、結膜にブツブツができます。
ウイルスに対する有効な点眼薬はありません。休養を十分にとってウイルスに対する抵抗力をつけましょう。また、混合感染を起こさないための抗菌点眼薬や、炎症をおさえるためにステロイド点眼薬を使用することもあります。他の人にうつさないように十分注意しましょう。
結膜炎が治りかける頃に、黒目(角膜)の表面に小さな点状の濁りが出てくることがあります。この濁りによって視力が低下することもあります。
場合によっては、この濁りが原因で視力障害がのこってしまう事があります。
充血が改善しても、医師の許可がおりるまで、点眼はしっかり続けてください。
【目をこすったり、さわったりしない】
目に触れた手で触った物が、新たな感染源になってしまいます。あやまって目に触れてしまったときはすぐに手洗いをしてください。
【よく手を洗う】
石鹸と流水(蛇口の水)でこまめにてを洗ってください。患者さんだけでなく周囲の人も手洗いをしてください。
【タオル】
患者さん専用のものを使用してください。使い捨ての紙タオルの使用も感染予防に有効です。
【ティッシュペーパー】
目やにや涙を拭きとるときはティッシュペーパーや清浄綿を使用してください。使用後はウイルスが付着しているため、ビニール袋などに密閉してから捨ててください。
【お風呂】
患者さんが最後に入り、浴槽のお湯は残さずに流してください。洗面用具などは家族と別のものを使用してください。
【洗濯】
衣類、枕カバー、シーツなどは、家族のものとは別に洗ってください。
【外出】
人混みをさけるように意識してください。他の人に感染させないよう、外出はひかえてください。
【室内の消毒】
消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウムなどのウイルスに有効なものでドアノブ・手すり、おもちゃなどは、こまめに消毒してください。
【目薬】
目薬の貸し借りはしないでください。目薬の前後はしっかりと手を洗ってください。
【コンタクトレンズ】
治療中はコンタクトレンズを使用しないでください。
ウイルス性結膜炎は「学校保健安全法」で「学校感染症」に指定されています。
流行性角結膜炎(はやり目)と急性出血性結膜炎は、医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで、咽頭結膜熱(プール熱)は主要症状がなくなった後2日経過するまで登校することができません。