こんにちは!あきしのこころのクリニックの秋篠です。今回はうつ病ついて説明させていただきたいと思います。
当クリニックには、様々なお悩みを持たれた方に来院していただいているのですが、前回説明させていただいた不眠症以外にも、
「落ち込んでいる」「楽しむことができない」「やる気が出ない」「食欲がない」等と、うつ病を心配されて受診される方が多くおられます。
特に最近は、インターネットのうつ病チェックリストや会社のストレスチェックをきっかけに受診される方が増えておられます。
専門的には、以下の症状が合計で5つ以上(ただし、1、2のどちらかが必ず認められること)、同一の2週間に存在し、社会的、職業的、他の重要な領域における機能障害を起こしている。
等といった診断基準をもって診断を行っていきます。
ただし、あくまでも診断基準であり、うつ病の症状の現れ方は、落ち込みや意欲の低下といった心の不調だけでなく、頭痛やだるさといった体の不調が優位に現われ、うつ病と分かりにくいケースもあります。また、うつ病と同じ状態を認める病気として、適応障害、双極性障害(躁うつ病)等がありますが、治療法が異なってくるため、診断については専門家の判断が必要とされています。
はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレス等をきっかけに脳内情報伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)が、減ってしまい引き起こされると考えられています。
すなわち、気持ちの問題ではなく、脳の働きに何らかの問題が起きた状態であり、治療が必要な病気なのです。
およそ10~15人に1人が生涯にうつ病を経験すると言われています。
決して珍しい病気ではなく、身近な病気と考えられます。そのため、なるべく早い段階で、本人だけでなく、周囲がうつ病のサインをキャッチし、うつ病に気付いてあげることが大切です。
うつ病の治療法は、休養、精神療法、薬物療法等があります。
【休養】うつ病治療の根幹ともいえるのが休養です。休養は決して悪いことではありません。
うつ病は心身ともにエネルギーの枯渇した状態であるため、休養をしないまま、精神療法、薬物療法を行っても十分な効果を得ることができません。
これまで疲れてきたこころ・体を休ませてあげてください。
【精神療法】治療者が患者さんと対話を重ねながら、問題を解決する方法を患者さんと一緒に探していきます。
うつ病になりやすい人は、生真面目で、責任感が強く、完璧主義者であることが多いため、考え方について治療者と話し合っていくことも大切です。
【薬物療法】うつ病の原因となっている脳内伝達物質のバランスの乱れを、セロトニンやノルアドレナリンに作用するSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬を投与することで改善していきます。
※薬物療法を行う場合、最初は副作用を抑えるために少量から開始し、徐々に適切な量に調整していきます。
今回はうつ病について簡単に説明させていただきました。
うつ病は一般的な体の病気と同様に、早期診断、早期治療が好ましい病気です。ただし、実際の医療現場では、受診までにいろいろと悩まれ時間がかかり、病状が悪化してから受診されるケースも散見されます。
また、うつ病を考え来院されたケースの中には、適応障害や双極性障害(躁うつ病)といった他の病気であることも少なくありません。
そのため、「ひょっとしてうつ病かも」「うつ病や他の病気について相談したい」等と少しでも心配されている方、お悩みの方は、「あきしのこころのクリニック」までお気軽にご相談ください。