脳卒中は、わが国で3大死因の一つになっている命に係わる病気です。
昔に比べ医療技術の進歩や予防により死亡率は低くなりましたが、発症した際に命に係わる危険性があることと、発症した人の多くに後遺症が残ってしまう怖い病気です。
脳はたくさんの血液を必要とし、心臓から送られる血液の約15%が脳に流れ込んでいます。脳のすみずみまで血液を行きわたらせるために脳の血管は細かく枝分かれしています。
この脳血管に障害を起こすのが*脳卒中(脳血管障害)*です。
主な脳卒中として、*脳出血・脳梗塞・くも膜下出血* があげられます。
【脳出血】
脳の血管の一部が破れて脳内に出血を起こすのが脳出血です。 高血圧の方など血圧のコントロールが不十分な方がなりやすいです。 障害の場所によっては、眼球運動を正常に行うことができなくなる共同偏視などの特徴的な眼症状がみられます。
【脳梗塞】
血栓や塞栓によって脳の血管がつまってしまい、栄養が行きわたらなくなり脳細胞が死んでしまうのが脳梗塞です。
脳卒中の中でも一番かかる人が多い疾患です。
【くも膜下出血】
くも膜下腔内に出血が起こり、突然激しい頭痛を伴い、意識障害を起こすことが多いのがくも膜下出血です。
再出血の可能性も高く大きな危険を伴う病気です。
脳卒中は、元気でお仕事もバリバリされている40代~50代の方にも突然発症する可能性があります。特にお仕事などで慢性的に疲労やストレスを感じている方は、少し頭痛やめまいを感じても「ただ疲れているだけ・・」と予兆に気づかれない方も少なくありません。
また、高血圧症の方は脳出血に、脂質異常症や糖尿病の方は脳梗塞の注意が必要です。
脳卒中を発症して血液が脳に送られなくなると、短時間で脳細胞の活動が低下し、壊死してしまうため、数分間、脳に血液がいかなくなるだけで、回復出来ない神経細胞の障害が起こり始めます。
そのため、脳卒中になった場合は、発見が遅れてすぐ死に至ることがあり、命を取りとめることができた場合でも、脳の一部に損傷を受けると、麻痺など身体にさまざまな症状が出て後遺症に悩まされる方も少なくありません。
脳の病気は発症してから治療するより、検査による予防で早期発見することが何よりの治療になります。