心療内科 不眠症 四条烏丸メディカルプラザ

不眠症について

心療内科・精神科
あきしのこころのクリニック
秋篠 雄哉 院長

今回は不眠症について簡単に説明させていただきたいと思います。

当クリニックにもたくさんの方が、“寝付けない” “ぐっすり眠れない” 等と不眠に関して相談に来られます。

年齢は、10代の方から、 高齢の方まで、性別、職業を問わず、様々な方がいらっしゃいます。

不眠は眠れないという苦痛のみならず、日中のだるさや集中力の低下が認められ、日常生活に大きな支障をきたすため、皆さん大変お困りになられることが多いです。

Q1.そもそも不眠症とは?

不眠症は睡眠障害のひとつで

・入眠困難(寝つけない)

・中途覚醒(途中で目が覚めて睡眠を維持できない)

・早朝覚醒(早く目が覚めてしまう)

・熟眠障害(ぐっすり寝た感じがしない)

といったタイプの不眠症状が

十分な睡眠時間が与えられ、適切な睡眠環境であるにもかかわらず

・週3回以上、一定期間

・眠気、倦怠感、集中力低下、不眠の不安等の症状が認められる

ことが国際的な診断基準になっています。

ただし、あくまでも診断基準であり、当クリニックではご本人が不眠で困っておられれば、上記診断を満たしていなくても、対応させていただいております。

Q2.逆に良い睡眠とは?

シンプルに

“寝つきがよく、途中で目が覚めることが少なく、朝早く起きすぎることがなく、熟眠感がある睡眠”と定義することができます。

ちなみに精神的ストレスや身体的ストレスのため一時的に夜間良く眠れない状態となることは、生理学的反応としての不眠であり、不眠症とは言いません。

具体的には“明日の試験で緊張して眠れない”“旅行先の枕が変わって寝にくい”等といったものは不眠症ではないということになります。

そのため、正確には

眠れないこと(不眠)≠不眠症ということになります。

Q3.自分だけが眠れていない?

日本では、成人の5人に1人が不眠症に悩んでいるというデータもあり、決して珍しい病気ではないと考えられます。

また、現代社会はストレスや刺激が多く、ライフスタイルも多様化し、人口の高齢化が進んでいるため、不眠症は増加傾向にあるとも言われています。

Q4.不眠が起きるのは?

不眠の原因はいろいろと考えられますが、一つには、環境要因・身体的要因・心理的要因等により、“覚醒”と“睡眠”のバランスが乱れていることが考えられています。

健康な人は、日中は「覚醒>睡眠」となって起きて活動し、夜間は「睡眠>覚醒」となって眠っているのですが、不眠の症状のある人は、この”覚醒”と”睡眠”のバランスが乱れてしまっているのです。

 

そして意外と思われるかもしれませんが、不眠で困られて当クリニックに来られる方の半数以上は、不眠が病気の症状の一部、もしくは二次的な症状として現れる、うつ病、躁うつ病、不安障害等の病気であることが多く、不眠だけを症状とする不眠症という方は意外と少ないです。

不眠症以外の病気が認められた場合は、それぞれの病気にあった治療に並行しながら不眠についての治療を行っていきます。

これらの病気があるにもかかわらず、病気を治療せず放置し、不眠に対して睡眠薬の内服だけをしていると、不眠が治らないだけでなく、病気の悪化につながる危険性もあるため、単に不眠と侮ることは危険であり、注意が必要です。

当クリニックでの治療方針

まずは、症状、経過、生活背景などを聞かせていただきます。

その過程で不適切な睡眠環境や誤った睡眠習慣が睡眠を妨げているようであれば、その点をアドバイスさせていただきます。必要であれば、睡眠ノートをお渡しし、さらなる睡眠状態の把握を行います。

 

アドバイスさせていただく中で多い内容は、主に次の3点です。

・不適切な寝室環境

(騒音がある、テレビやラジオをつけっぱなし、部屋が明るい、室温が極端に寒い、暑い等)

・睡眠習慣

(寝だめ、昼寝、遅寝遅起き、不規則な生活等。特に、入眠困難のある方は、昼寝、遅寝遅起きをしておられることが多いです)

・嗜好品

(飲酒、喫煙、コーヒー・緑茶等のカフェイン摂取。特に飲酒については、睡眠目的に飲酒されている方が時々おられますが、実際は睡眠の質を著しく低下させ、不眠の原因となっていることが多いです。)

 

上記アドバイスの上、必要であれば薬物療法を並行して行います。

睡眠薬というと、怖いイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、現在の睡眠薬は、副作用が軽減され、安全性も高まっています。

また、睡眠に対する薬剤は漢方薬を含めいろいろな 種類があるため、適切と考えられる薬剤を相談に来られた方と一緒に考えながら選択します。その際、それぞれの薬剤のメリット、デメリットを出来るだけ説明させていただくようにしています。

不眠の症状が改善すれば、焦らず一人一人にあったペースで投薬中止を 目標にして薬剤を減らしていきます。

最後に

最近では、不眠がうつ病、寿命、肥満、高血圧、糖尿病に影響を与えていることがわかっており、不眠の治療は不眠だけにとどまらず、心身の健康管理にもつながると考えられています。不眠について、少しでも心配されている方、お困りの方は「あきしのこころのクリニック」までご相談ください。

四条烏丸メディカルプラザ

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